フラクタル

1.出会い


美術が山本二三らの影響を隠そうともしないなら、導入も駿らを見習っていただきたい。パズーやナウシカは核戦争後でも生きられるバイタリティを感じるが、この主人公はどうか。
このセカイの政治や経済や生活基盤は、ドッペルとは何か、落ちてきた少女は何者か、何故追われていたのか、追っていた者たちは誰で、何の目的があるのか、観客が当然気になっている情報を与えるイニシエーションを、「まぁいいか」で全部後回しにするのは、今風なのか。ひとつ考えられたのが、クレインが生まれ落ちた時にはすでに、何ひとつ不自由しないニート生活を送れるシステムが機能する、セカイが完成していた。長い年月の果て、システム以前のセカイの情報は失われて、データにのみ残っている、とか。フリュネは過去から来た?
殺す気満々で銃撃してた追跡者が、昨今のテンプレなコメディを演じたり、作風も安定しない。チビ女の髪型がドーラを意識してるようで気になる。
シリーズ構成は近年活躍してる方みたいで、期待したい。いちアニメ演出家が引退を辞さない覚悟で臨んでる作品であるしな。