バクマン。

7.涙と涙


当人同士で勝手に「ロミオとジュリエット」症候群。
明らかに主眼じゃないけど少年漫画のアリバイとして、美少女との恋沙汰もちょこっと置いてみました程度の存在感しかなかった亜豆、禁じ手の落涙のカットが良い出来で、台詞はほとんどないのに印象的な仕上がりだった。
異常にプラトニックで慎み深い想い人以上に最高が恵まれてるのは、悩みも仕事も共有して激励してくれる自分の分身のような親友の存在。ネタの仕込みに余念がなく自己プロデュースに長け交友関係の情報網も持つ秋人。頼もしすぎて物語の波乱を潰していきそうな勢い。

「もし僕がジャックで一番人気の作家になったら、僕が嫌いな漫画をひとつ終わらせる権限をください」

最後のエイジの言葉、感銘を受けた。やはりライバルというものはひとつまみの毒を盛ってなきゃいけないのだ。