ぎゃる☆がん(XBOX360)


「ソコ、オシリダヨ〜☆」

インティ・クリエイツが3年の月日を費やして開発した馬鹿ゲー。もっとも、開発が止まってた時期があるから正味の期間はもっと短いらしいが。
バーチャコップ」や「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」に代表される、いわゆるレールシューティングの敵キャラを全部女の子にしたい!って企画段階から知能指数ゼロの本作。
ガンシューなのに、現世代機でなぜか唯一ポインター型デバイスがない(キネクトはちょっと特殊なため除外)XBOX360でリリースされたのが不思議だし、ファーストインプレッションの画像から「コレってWii向けの企画を持ってきただけなんじゃ…」という邪推を産んだのがTGS2010。あれから数ヶ月、驚嘆すべきブラッシュアップを経て完成させた、開発の熱意と努力には頭が下がる思いであります。
とりあえず風紀委員の赤毛ポニ娘をトゥルーENDでクリアした。お気に入りのウサ耳ロック娘は失敗してグッドEND…orz 分岐点は好感度と最後のドキドキモードでラブラブ実績が解除されるまで見つめなかったからだと思う。スコア自体はトゥルー見たプレイの方が低かった。
ADVモードは、あくまでSTGのつなぎとしての存在という分を守って、あっさり目。あんまり長々とやられても困るから、ちょうどいい。
ゲームの核となるSTGステージ。これが良く出来ておる。単純な連打で女の子を昇天させる事もできるが、最初の一発でエクスタシーショット(いわゆるヘッドショット)を狙える部位を狙い撃ちした方が得点もドキドキゲージの伸びも良いから、積極的に狙う意欲が沸く。連打では処理しきれない場面も当然あるし。通常パートから完全に独立してるドキドキモードは、画面内の娘を一掃できる、スコアの倍率がいい、ライフを回復できるという利点がある。一見ゲームのテンポを殺すモードと攻略を密接に関係できているのは、ちょっと凄い。ドキドキモードで昇天させた女の子は回数に応じてプロフィールが開放されていくコンプ要素もあるのがお得。同じ周回じゃないとプロフ埋まらないのはちょっと難点だが。
ステージの最後にはヒロインに応じて特殊なアクションパートが用意されている。これもなかなか楽しいのが揃ってる。だが晶の鉄球だけはマジ勘弁…。
ストーリーモードしかないし、攻略対象は4人、フルプライスでコレはボリュームが多いとは決して言えない。メインプランナーでもある伊東大典によるキャラデザは良いのだが、3Dモデルの出来は中の上といった感じ。新人によるヒロインのCVはまったく問題ない。(ゲストモブとして中原麻衣植田佳奈高橋美佳子が参加してるのが面白い)しかしながら、リプレイを重ねる度に上達が感じられる骨太なゲーム構造がある。プレイヤーのストレスを可能な限り軽減するような努力も見られる。これは、インティのゲームセンスの賜物に相違ないし、実力不足な開発会社が奇抜な企画だけで見切り発車をすれば大怪我していただろう事を、雄弁に物語る。これだけしっかりとしたゲーム構造があるのなら、DLCによるボリューム増、続編、あるいは追加要素にもよるが他機種展開も視野に入れて、コンテンツを育てて欲しい。機種が機種だけにそれほどヒットが見込めないのと、そこまで体力がある企画とは思えないのが…。
全体として、最高に馬鹿で楽しいゲームです。悔いなし。