映画 シュガー・ラッシュ

公開から日が経ってるけど、一応ネタバレ注意。
http://www.disney.co.jp/sugar-rush/home.html



諸星すみれちゃんの活躍を堪能したかったので吹き替え版を観賞。山ちゃんと対等に渡り合う彼女はいったい何者?
映画の内容からすれば、原題「Wreck-It Ralph」のがまったく相応しいんだけど、ビジネスを考えた結果なんだろうな。
ピクサー製作じゃないけど、本編の前に短編映画。最近劇場で観てないので、ディズニー映画はいつもこうなのかも。「紙ひこうき」CGアニメではあるけど、手描きのような質感が特徴。筋はよくあるロマンティックコメディで現実的なオチでホロリとさせるのかと思いきや、超常現象が絡んで普通にハッピーエンドだった。音楽の盛り上がりと画面のテンションが同調してちょびっと涙腺が緩んだ。
往年のゲームキャラが登場する事が話題になった今作だけど、ほんのカメオ出演にとどまる。印象的なセリフがあるのはザンギエフぐらいで、あとはウォーリーを探せ状態。いわば「本場」の映画でパワードスーツ纏ってガンシューティングってシーンがあるけど、マスターチーフもデルタ部隊も出演無し。あたりまえか。
砂糖まみれの国シュガー・ラッシュの一見して感じる美しさをはじめ、当時のゲーム画面の再現風、時代とともに移り行くゲームセンターの情景、クッパ大魔王の質感(笑)と観ててワクワクして飽きない。急増のコースで練習するシーンとか協力してお菓子のカートを作るシーンなんか楽しすぎてにやけた。「宇宙の戦士」(バーホーベン版)みたいなミリタリーアクションや、カーレースのシーンの興奮も最高。レースゲームが舞台なのにまともなFINISHが一度も無いってのはどうかとも思ったが、だからこそ、劇中たった一度のゴールシーンがめちゃめちゃ良く感じた、って面もある。フェリックスと女軍曹の絡みも笑えた(劇場でも軽い笑いが起こってた)ヴァネロペ以外のレーサーたちも凄く可愛いデザインだったんで、ヒール以外にもうちょっと見せ場があったら嬉しかったかな。
ラルフのドラマは、社会から与えられた役割に惑い、あがき、受容していく普遍のテーマ。ヴァネロペの方は、典型的なシンデレラストーリーだけど、互いに共通して、自らの力で運命を切り開いていく、って今的な力強さを感じる。今回のヴィラン*1が、与えられた役割に満足できず、野心と欲望のために世界と他人を変容させても構わないって奴なんで、壊すしか能が無い暴れん坊の物語と照応しててその辺も良かったなぁ。(余計なことを書くと、アーケードの対戦ゲームでバグ技が使えるチートを残しておくのはどうなのかな、とちょっと気になった)
俺は今作、結構気に入った。ディズニーの中なら「リロ・アンド・スティッチ」、ピクサーなら「モンスターズ・インク」と同等ぐらいに好き。けっしてょぅι゛ょがヒロインだからってだけじゃないよ。

じゃあ、バンチャで「アイカツ!」観る仕事に戻るんで。

*1:毎回の事ながら、やる事はかなり悪辣です