艦隊これくしょん -艦これ- #4

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エピソード単体としては通常運行で特段良くも無いけど、貶すほど悪くもないと思うのよ。金剛型4隻を集中運用した威力と駆逐級3隻を相手に圧倒するゼカマシーの実力をみせた戦闘シーンは迫力アリ、吹雪に無自覚に訪れる死の気配&不意に想起される友人の悲しみとそれに真に寄り添えない切なさすら抱擁で包み込む大型艦のお姉さんの度量。示唆する内容は悪くない。ただ、想像で補完できるのは元々提督経験がある人ぐらいで、やっぱり初見の人にしたら相変わらず意味不明なままだと思う。
ネタ消化するのに精一杯で物語になれてない。砲弾を拳ではじき返す艦娘の体が鋼鉄でできてるのか艤装の防御フィールドで覆われてるのか知らんが、少女のメンタルを持ってる以上「喪失」の描き方は神経質にならざるをえない。誰よりも大事に思っていた姉妹の帰りを波止場で待ち続ける睦月の痛々しい姿、前半で島風が任務前に行方不明ってのでちょっとだけ、波止場に島風が居るの期待しちゃった。同型艦が桁違いにいる駆逐艦娘の中で、量産に向かない高性能艦ゆえに姉妹艦が居なくて他の艦娘を羨ましく思う島風ってのも2次では御馴染みの光景。ブリーフィングでもアホの子でしかなかった島風の一面を紹介する絶好の機だったと思うのに。
アニメで観たいのは、ゲームだけじゃわからない彼女たちの描写。別に戦没艦が出た後にちゃん那珂がアイドル対決しても全然いいし、金剛お姉さまに引っ張られて大はしゃぎする愉快な姉妹たちでも良い。そこに「戦い続けなければいけない存在」としてのペーソスをちゃんと効かせるなら。やっぱり、悲しみと絶望の当事者であるのは吹雪であるべきだったし、艦娘として再起不能なほど暗く深い海の底のような絶望に沈み、それでも生き続けて戦っていく事に価値を見出し、絶望の淵から立ち上がって砲塔を手に取る。そういう姿に人は胸を熱くする。そこまでやる覚悟が無いなら最初から「喪失」なんて扱わないほうが全然マシ。