フレッシュプリキュア! #22〜24

この巻はベストコンディションで観たい。制作陣の「良いものを食べさせたい」って熱意が伝わってくるような、一皿だった。

フレッシュプリキュア!【8】 [DVD]

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  • 22.せつなとラブ あなたがイースなの!?

脚本 成田良美 演出 松本理恵 作画監督 河野宏之


イースの感情の変遷を丁寧に追っていて好印象。いち早く真相を知った美希たんの処方もナイスだった。
ラビリンス世界とのオーバーラップ、医務室でのシーン、ガラスを割ってイースの頭上から現れるナキサケーベ、崩壊するコンサート会場というシチュエーション、女児向けとは思えないネタも満載「濃っっ」な松本演出と、キャラデザを崩すことも厭わない作画の暴走の相性も良くて、十二分に威力を発揮してた。

脚本 前川 淳 演出 石平信司黒田成美 作画監督 伊藤智子


自意識が高いぶん、使命感も強い美希たんの叱咤がカッコイイ。そんな美希たんの強引さをフォローして回る俺の祈里。
14話ではまるで歯が立たなかったイース相手に格闘戦で伍するピーチの成長っぷりが著しい。その成長を支えたのは執拗にナキサケーベで激戦を強いたイースだったりするのが皮肉。
M-64「わき上がる闘志〜華麗に戦いへ」、迷いを吹っ切ったラブと、死に際して、もはや真情を隠さないイースの両者が拳で会話する男らしい一連のシーン、沖&小松の熱演も手伝って実に見応えがあった。

  • 24.せつなの苦悩 私は仲間になれない!

脚本 伊藤睦美 演出 座古明史 作画監督 香川久

「歌え!幸せのラプソディ!」

さて、19話から続いたイース→パッション展開のフィナーレ。
都合が良すぎるラブ母とせつなの邂逅、会食、天涯孤独となったせつなを社会に帰属させるにあたってかなりの力技だったが、こういうのがフィクションを観てる甲斐でもある。両親の性格がラブの人格を形成した事を想像するとなかなか味わい深い。
ラビリンス人としての歩みを止め、自ら砕いた「ラッキークローバー」を前に涙し、かすかな光に向かって歩き出すイース、演出の意図も含めてかなり良いシーン。
しつこく復縁を迫るウエスター(このウェッティな人柄が西さんの良いところでもあるんだけど)と決別し、パッションとして生きる決意をした瞬間、せつなの瞳にハイライトが入る演出がグッとくる。
ヒャッハーなパッションの変身&必殺技バンク、高梨フレプリスコアの中でもド派手な光彩を放つ「プリキュア・ハピネスハリケーン!」が炸裂。前半の山場を締め括るに相応しい盛り上がりだった。せつな@パッションの技が風の属性を帯びてる、ってのも感慨深い。というのも、せつな@イースがラブたちの前に現れる時って、直前に塵風が吹いたり、木の葉を乗せた風上にいたり、演出として「風」がワンクッション挿まれる印象があったんだよ。これはこれでベタ演出かもしれないけど、微妙な符合が嬉しい。
イース様を失った悲しみを、ウエスターさんと一緒にせいいっぱいがんばって乗り越えたい。