映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル


初日に2回観てきた。ネタバレ含みます。


一応、春恒例、声つき出演。
ブラック、ホワイト、ブルーム、ドリーム、ピーチ、ブロッサム、マリン、メロディ、ハッピー、サニー、ハート、ダイヤモンド、
ハピネス4人、ゴープリ3人。計19人。なにげに、DX3より減ってる。


去年のハピ秋映画時の予告で「歌とダンス」がテーマだと発表されたときに想像したとおり、3DCGダンス映像を使ったライブ性の高い構造になってる。これが、良い点と(かなり)悪い点の両方ある。
良い点。各シリーズごとにEDダンスを披露していくため、従来のAS映画よりは活躍度のシリーズ間格差が生まれにくくなってて、どのシリーズのファンも一定の満足を得られやすいと思われる。止め絵とはいえ、各シリーズの回想や最終回後の後日談的な新規カットが挿入されたり(ゴープリOPのイースやレジーナはコレ)、フレッシュやスイートの前期OPに居なかった追加キュアがCGダンスに参加したりといったファンサービスもある。(プリキュア・メモリの4人Ver.が無かったのは非常に残念。あと、なんでムーンライトにハートキャッチ☆パラダイス踊らさなかった!)もうひとつ、大きなストーリーはほとんど無い映画とはいえ、「妖精たちに日ごろの感謝を」というプリキュアたちが主役に回帰したこと。NSシリーズで、ゲストキャラがメインでプリキュアはその救済に徹するという構造は、良い面も生み出しつつ、実は不満もけっこう持っていたので、この点は自分は評価したい。
悪い点。こちらが問題。見せ方がおおいに疑問。各シリーズED(CGダンスEDがなかった鷲尾PキュアはOP、ハトも何故かOP)を披露して、ミュージックステーションみたいなひな段に座らせて、オリエンタルラジオ演じる悪役のインタビュー。終わったらいったん退場。次のシリーズが披露。これを全シリーズ繰り返す。これは、ダれる…。プリキュア劇場版17作ぜんぶ観てるが、「長ぇな…」って思ったのは初めて。また、ダンス映像もフルサイズではなく、前述した止め絵や作画アニメーションが挿入されるので、どうしても画面に入り込めない。(川村敏江担当の5GoGoパートだけ、よくもわるくも浮いてる。劇場でどよめきが起こった)また、今回はミラクルライトがないため、女児たちが映画に参加するタイミングが非常にわかりづらく、プリキュア映画の醍醐味をおおきく損なってしまった。これまでは劇場で踊るこどもが普通に居たのに、「歌とダンス」がテーマの今作で踊ってるこどもが一見して、ほとんど居ないってのは、かなり寂しい。Webで観れてしまう「イマココカラ」が映画の最大のクライマックスなんだけど、ここへの持っていきかたにも工夫がなく、観客は感情の持って行き場を失う。直後に映画唯一といっていい大きなアクションシーンがあるんだが、ここまでのフラストレーションを解消するまでに至ってない。あ、あと、EDなぁ…。これも本当は枝葉の問題で済んだような気もするんだけど…スタッフロールは、タイアップしたアイドルの実写PV&「イマココカラ」を全国各地で踊るこどもたちの映像なので、従来の現行プリキュアのED(前回ならプリキュア・メモリ)をオールスターズ全員で踊る、ってお約束がないので、またも劇場のこどもが踊る機会を逸する。練習してきた子、いっぱい居るだろうにな…。
あー、あと青山氏の負担がいいかげん大き過ぎるのでは。一部、劇場版とは思えないほど気が抜けてしまったカットが散見された(しかもメインクライマックスで)金も予算も人員も足りてない印象。これでミュージカルは無理ですってボクダンP。


こっからは、俺個人の不満。今回はプリキュアたちの変身バンク(ゴープリすら)が使用されてないため、今までの春映画サントラでお約束だった現行プリキュアの変身BGM最速収録がなくなってしまった。ていうか、ゴープリのバンク劇場ではやく観たかった…。
しかし、俺個人の満足。高梨康治がまさかの音楽担当。プリキュア引退だと思っててすみません。全シリーズの変身BGMをアレンジしたメドレー「プリキュアオールスターズ ON STAGE!」めちゃめちゃ良かったです。ハピネスのみんなが活き活きとしてたのも嬉しかった。ラブリービームなぎ払いで軽く歓声おきたし、ひめはえりかに劣らず笑いとってたし、俺のゆうこは相変わらず素晴らしかったし。いおなちゃんはここでも苦労するのか…。
「歌とダンス」を主軸にしよう、ってコンセプトはこれからのAS映画の未来を想像させてくれて良し。ただ、研究と練成が圧倒的に足りなかった。マーケティング担当は、余計な声に惑わされず、ほんとうにこどもたちが欲してるものを掴むよう願う。そして現場に人と金を。プリキュアー!、がんばれー!(これは復活させてほしい)