薄桜鬼 碧血録

16.誠心は永遠に

「羅刹の力は決して神仏からの授かり物ではない。人並み以上の腕力、敏捷性、そして驚異的な回復力。それは自身の体に秘められている物。本来、数十年かけて使い果たしていくはずの力を、借りているに過ぎない」

鬼が語る羅刹の力の源泉は、まさに己の命そのもの。使えば使う程、死が近くなるヤバい代物。
近藤が捕縛される直前まで読んでいた軍記物、三国志演義、清正記、水滸伝関帝聖君は旧帝国や兄弟のために命を尽くし、清正公は時代の趨勢に飲み込まれても、200年後に残る事業を成し遂げた。軍事的才能や政治力の不足、多くの仲間を失っても未だ慕ってくれる土方達に、あるいは近藤は自分に梁山泊の首魁宋江の影を見たのかもしれない。仲間を花栄呉用の如く自分に殉じさせるわけにはいかない、そう思い至っての決断だったんじゃないか。俺の妄想がすぎるが、近藤の表情や台詞から諦観と謝意が感じられて、なんとも抒情的なシーンだったな。
近藤の決意を無にするほどの土方の暴走、土方にも近藤を名将に並ぶ人物に押し上げるという夢があった。命令をはねつけて土方のそばにいる千鶴、千鶴にしか話さない夢破れた土方の本音と弱音の独白、Aパートと合わせて二人の絆が強化されていく。好感度アップ?