薄桜鬼 碧血録

20.散ずる桜花


べらんめぇ口調と実在の肖像からデザインしたような榎本が良いキャラクターで登場した。時代劇やヒストリーを題材にしたあまたの作品で、人物と史実を貶めたり畏敬を微塵も感じさせない姿勢に、楽しみつつ疑問符を持つ事もあったりするけど、本作はその点珍しいほど真面目で好感が持てる。
平助の奮闘、山南の暗躍と印象の変化の緩急が効いていて面白かった。綱道の所業を思えば千鶴に「父親」と認められたまま看取られるのは彼には出来すぎた結末だけど、いや野暮は言うまい。ともかく、隊内で羅刹にまつわるものは土方と千鶴のみに集約された。